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院長のひとり言

予防3
 今回からは虫歯にかわり歯周病予防を考えてみます。
 虫歯は4つの条件が重なり合って発症すると言いました。歯周病は4つのパターンが単独もしくは複数が重なり合って発症します。

1.プラークコントロール 2.過剰な力 3.血液循環障害 4.免疫不全

まずは1.プラークコントロールについてお話します。
毎日TVコマーシャルで耳にする言葉ですね。いわゆる歯垢(細菌性付着物)により歯周組織が壊れてしまうと言っています。マスメディア的には、また一部の歯科医院的にはプラークコントロールが歯周病予防において最も大事でそれが全てのような印象をあたえていますね。
 しかし、虫歯のところでも述べたように、歯周病においても決してプラークコントロールが最も大事なポイントではなく、また全てではありません。
 さらにプラークコントロール不足単独で(そのような人はいないと思いますが)歯周炎は発症しません。
…歯肉炎にはなりますが。歯肉炎とは歯茎が腫れたり出血したり発熱したりしますが顎の骨は無傷で顎の骨と歯の根をつなげている歯根膜という繊維も無傷なので歯はびくともせず、当然、抜けたりしません。


プラークコントロールが悪くてもよい、と言っているのではなく、プラークコントロールが良いだけでは歯周病予防は絶対にできないということです。
 しかし他の3つの条件が同じでプラークコントロールでのみ、 善し悪しがあれば当然プラークがないほうがいいに決まっていますし、エチケットの面においては相応の効果が期待できますし、 誰でもキレイな方が気持ち良いですよね。
 あえて歯周病予防という観点でプラークコントロールを考えると規則正しい生活習慣の獲得の手段といえると思います。毎日の歯磨きも出来ない人が規則正しい生活をしているとは考えにくいですから(笑)

 
もうひとつプラークコントロールというと、ただ歯ブラシ、歯間ブラシ、糸ようじ等で機械的に歯垢(プラーク)を落とすと考えがちですが、歯垢の付きやすさ、付きにくさということもとても関係があります。一生懸命磨いていても簡単に歯垢が付いてしまう人、いい加減に磨いていても付きにくい人の差は、様々な所に違いがあって 間食の多い人、甘いものが好きな人、ジュースをたくさん飲む人、
早食いの人、偏った食事をする人などの食習慣はもちろんのこと とても肩凝りがひどい人 腰の悪い人なども、そうでない人と比較すると、歯垢が付きやすくなってしまいます。
 さらに最近の若い人に多く見られますが、口をポカンと開いてしまっている人も(口呼吸)口の中が渇いてしまうためプラークが付きやすくなりますね、口は閉じてなくてはなりません、見た目も悪いですから。

以上、超極細毛の歯ブラシは使わずに、普通のブラッシング、甘いものは控えめに、なるべく和食を回数噛んで唾液をたくさん出して、自浄作用を高め、口は閉じて、お行儀のよい生活を心がけて、歯垢の付きにくい 結果プラークコントロールがよくなるような、お口の中の環境を獲得しましょう。

予防2
前回 虫歯は4つの条件が重なり合って出来る1砂糖の量 2細菌の数 3唾液の量そして4歯の表面につく傷と言いました。この歯の表面につく傷って何?再表層のエナメル質に傷がつく、歯に傷をつけることができるのでしょうか?人の体の中で最も硬いと言われている歯に傷をつけられるものは  自分の歯しかありません、そう自分の歯で自分の歯を傷つけてしまうのですね。その傷に常在菌が入って歯を溶かしていってしまうのです。


傷がついていないツルツル歯面は虫歯になりにくいのです。虫歯になりやすい場所と傷つきやすい場所は一致するのです。
 直接 自分の上下の歯、左右隣り合う歯どうしでのぶつかり合いや、こすれ合いで傷になってしまうのです。無意識に咬みしめていたり、咬んで居たりしている事が多々あるようです、日常生活習慣の中で、仕事中、重たいものを運んでいるとき、満員電車に乗っているとき、パソコンをしているとき、うたた寝をしているとき、家事をしているとき、頭を洗っているとき、運動しているとき、テレビをみているとき、etc
 あといつもガムを咬んでいたり、硬いものをよく咬んでいる人は、それらを咬んでいない時も(口の中に食べ物がないときも)咬みしめていたりします。
 例えば歯と歯の間の虫歯(最も虫歯になりやすい場所) 通常歯と歯は接触しています、その接触した状態で片方の歯、もしくは両方の歯が沈んだり、動かされたりすると、接触面はこすれます、
こすれた時に、よりとがっている歯面がよりなだらかな歯面に傷をつけてしますのです。とても難しい話ですね。すきっ歯のひとはほとんど虫歯になりませんし、また歯を抜きっぱなしにして 咬む相手のいなくなった歯もほとんど虫歯になりません。傷がつきにくいからですね。
 歯と歯の間に虫歯をつくらないようにするには、糸ようじや歯間ブラシで清掃するのではなくて、接触面に傷をつくらないようにする、すなわち強く咬みしめたり、くいしばったり、硬いものを習慣的に食べたりしないようにする事がとても大切です。
 さらに接触面が傷つかないように こすれ合う歯面どうしで研磨する究極の予防法が多咀嚼、すりつぶせる普通の食材を回数多く噛むことなのです。
 食事をゆっくりとって 多咀嚼する習慣を身につけて、虫歯予防の一助にしたいですね。

予防
今回から何回かにわけて予防についてお話します。

まず初回は虫歯予防について。私が歯科医になって この約30年間で相変わらず“プラークコントロール゛歯間ブラシ 糸ようじを使いましょうTVコマーシャルで毎日のように、歯磨き粉、超音波歯ブラシ、電動歯ブラシの宣伝において とにかくキレイに歯磨きして汚れが落とせていれば虫歯にならないと。一方で患者さんの声で、しっかり磨いているのに何で虫歯ができてしまうのだろう?最新の高価な超音波歯ブラシに替えて、歯磨き粉も替えたのに虫歯になった等。以前にお話したように 歯磨き(ブラッシング)不足のみの理由で虫歯にはならないのです。


 虫歯になる条件として、1砂糖の量(歯を溶かす酸の原料)2細菌の量(歯磨き)3唾液の量(洗い出し)4歯の表面につく傷
これらの4つの条件が重なり合って虫歯はできるのです。
 
 毎日 磨けていない歯 すなわち歯垢(プラーク)、歯石がついている歯をたくさん見ています。その汚れている歯がすべて虫歯になっているか?多くの患者さんが磨けていない天然歯の下の前歯の裏側は虫歯になっているか?なっていないのです。この1つの事実を見てもブラッシング不足=歯垢 歯石の沈着=虫歯ではないのです。
 また 虫歯のよくできる場所とされている歯と歯の間 この場所にできる虫歯の原因を歯垢 歯石といった汚れ(細菌)のみで考えると、手前の歯の奥よりと奥の歯の手前よりが同時に虫歯になるはずです。しかし実際には多くの場合、片方の歯だけ虫歯になり、もう片方の歯は無事だったりします。この事実も細菌のみで虫歯はできないことがわかると思います。

 先に述べた他の原因、砂糖の量、唾液の量、歯の表面につく傷 これらの原因が重なり合ってはじめて虫歯をつくるのではないでしょうか
 虫歯予防を考えると 普通に歯磨きをして、甘いもの(特に砂糖)を控えめにして、回数多く咀嚼して唾液を出して、歯の表面に傷がつかないように歯を使うということになります(歯の表面につく傷に関してはとても重要なキーワードなので次回説明します)

 多くの人にブラッシングだけで虫歯予防はできない事を知ってもらい、現実に虫歯が減ってくれることを願います(私たちの仕事は減りますが 笑)

硬い物はたくさん食べたほうがいいの?
だいぶ以前から食習慣において、問題が指摘されてきました。それはあまり回数咬まずに飲み込んでしまう傾向が多いようです。
特に子供などの若い世代において顕著で、咬まない為に顎の成長発育が不十分で、歯列不正を招く結果になってしまっています。



咬む行為はとても大事であると言われていて、子供など若い世代には成長発育において必要で、高齢者においてはボケ防止など脳刺激においてプラスである事も実証されています。
そこで咬むことは良いことになっているのですが、落とし穴があります。
“咬む”と一言で言っても、実は咬み方が大雑把に2通りあって、すりつぶせる食物とそうでない食物を咬むのでは、全く違う咬み方(動き)になるのです。

咀嚼と言う言葉がありますが、咀嚼とは奥歯ですりつぶす事を指す言葉で、よく咬みましょうと言うのは奥歯で回数多くすりつぶして咬む事を言うのですが、すりつぶせない物を咬んでも咀嚼している事にならず、咬んでいる効果は得られないのです。

すりつぶせない物を咬む時の顎の動きは垂直的で(チョッパー)、奥歯へ垂直方向の力をかけてしまい、それによって歯周組織を壊してしまうのです。
対して、お米や和食系のおかずなど、すりつぶせる物は顎の動きが斜め方向で(グラインダー)、奥歯に垂直方向の力をかけないので歯周組織は壊れないのです。

本来、お米が主食の我々農耕民族である日本人の場合、牛・馬のように草食傾向であり、すりつぶせる食材を奥歯で咀嚼することが適しており、パン・お肉か主食の狩猟民族である欧米人の様に肉食傾向の民族とは咬み方、歯の使い方が全く異なる事を認識しなければなりません。

大事な事は、すりつぶせる物を回数多く咀嚼してあげる事で、すりつぶせない硬い物、こしのある物は控えめにしなくてはなりません。
私の約30年の臨床経験の中で硬い物が好きでたくさん食べてきた人は、ほとんど入れ歯になっています。


詰めた歯、かぶせた歯がとれる〈脱離〉
以前に治療した歯で、詰め物・かぶせ物がとれてくる事はよくありますね。
それも治療して間もない歯が取れてしまったりすると、あの歯医者はヘタだって思ったりして(笑)私もよく耳にします。
今回はこの〈脱離〉をテーマに少し考えてみましょう。



脱離にもいろいろありまして、最終的な詰め物・かぶせ物を最終的なセメントでつける@本Set。当医院でよくする仮のセメントでつけるA仮Set。さらに仮の歯をつけるB仮歯Set

この3つのケースで@最終的な詰め物・かぶせ物を本Setしてあって、それが何年も前に治療してあった場合、ケガ(口以外の身体のケガ)をしたり、病気をしたり、普段運動しない人が急にしたり、逆に運動していた人が急にやめたり、食卓での座る位置が変わったりetc.etc.生活の変化が起きたことが予想されます。生活の変化等により顎の位置が変わることにより、詰め物・かぶせ物がとれてきたりするのです。
AB仮Set(仮歯も含めて)がとれてしまった場合、その詰め物・かぶせ物は調整が必要になります。おおげさに言うとその人の体に合っていないのです。物を食べる時の顎の動き方に歯の形があっていないといったことが考えられます。

診察室でカチカチ咬んでもらったり左右に動かしてもらったりして調整をしますが、家に帰って実際に食事をすると違うあたりが出てきます。これは、物を咬む時の顎の動きが診察室で動かしてもらう顎の動きとは異なるからです。
このように普通にみなさんが想像しないほど歯のあたりかた、ぶつかり方は微妙なものなのです。

詰め物・かぶせ物がとれることは、みなさんにとってはうっとうしい事でしょう。でもとれてくれた方が歯にとっては助かる場合もあるのです。(詰めた歯・かぶせた歯の中で虫歯が進行してしまっている場合は例外ですが)
詰め物・かぶせ物がとれたくても、あまりに強く接着されてしまっているような場合は、歯や歯根が折れてしまうのです。その場合、多くは抜歯になります。これは最悪の状態です。
それなので、詰め物・かぶせ物がとれて歯・歯根が無事な場合は、修復可能なのでラッキーとおもって早急に治療しましょう。


片方で咬んではいけないの?
テレビ雑誌等で、”片側で物を咬んでいてはいけ
ない、左右両方を使って咬むようにしましょう”
という事を耳にしますが、本当でしょうか?
答えはNoです。




そもそも咀しゃく(奥歯ですりつぶすこと)は
普通無意識下で行われるもので、右で5回咬んで
次は左で5回という風に意識をして食事をして
いる人はいないでしょう。咀しゃく自体、その人の体、骨格、食べる時の姿勢などの様々な要因の影響を受けて決まってくるものです。体が左右対称の人がいますか?歯並びが対称の人もいますか?咬み合わせが左右対称の人もいませんよね。その人の個性にあったかたちでの自然な咀しゃくが大事で、歯、歯間、あごの骨の組織をこわさないという事です。
なのでほとんどの人が習慣性主咀しゃく側という“ききあご”があるのです。痛い歯がある、抜いたままの歯がある、物がはさまる、治療途中の歯がある…etcなどの不都合があって、そこをさけて反対側で咬む。この片咬みは当然ダメです。でも何の不自由もないけど気がつくといつも左で咬んでるなぁーとか無意識に右で咬んいることが多いなぁーというのはOKなのです。変えてはいけないのです。少なくとも意識をして両咬みにする必要はないのです。


一度治した歯が何故またこわれるの?
一概には言えませんが本質的な事を言うと原因をとってないからです。通常、歯に穴があいた虫歯、歯が抜けてしまった歯周病。虫歯につめものかぶせものをして治った、抜けたところに入れ歯が入ってなおったと思うかもしれませんが、穴が埋まったにすぎないのです。何故、そこの歯が虫歯になってしまったのか、何故、そこの歯が抜けてしまったのか、その【原因】は全くとってないですよね。



結果、出来てしまった穴、欠損を埋めたにすぎないから再発する可能性は十分にあるわけです。
(まぁ、その穴の埋め方、欠損の埋め方も本当はとてもむずかしいのですが)
ただ原因をとるといっても簡単なことではありません。多くの場合、原因がひとつではないからです。ひとつ言える事は本当の意味で体が健康な人
(健康診断、人間ドッグ等で異常値がない人ではありません)は口の中もこわれてこないという事です。予防を含めて一度治療した歯がこわれないように再発防止を考えると口の中へのアプローチ(歯ブラシ、歯磨き粉、糸ようじ、歯間ブラシ等)いわゆるお手入れだけでは、全くたちうち出来ないでしょう。
私たちはブラッシング以外の虫歯、歯周病予防を考え、患者さんとともに、再発防止にとり組んでいきたいと思います。



歯磨きで虫歯、歯周病は予防出来るの?
毎日、多くのTVコマーシャルで流れる歯磨粉やハブラシ、電動ハブラシの類の宣伝を見ていると、その製品を使うとあたかも予防出来るような錯覚をしてしまいますが、本当にそうなの?
基本的に磨き残しなく、きれいにする事が一番のように聞こえますが、仮に完璧にブラッシングが出来ていたら虫歯や歯周病にならないでしょうか?
残念ながら答えはNoです。



毎日、臨床の場で患者さんの虫歯、歯周病になってしまった歯を見ていると疑問が生じます。
もし、歯垢(プラーク)が一番の原因でこわれるなら、他の虫歯になってない歯よりも汚れているはず。
虫歯になってしまった1本の歯が他の27本の歯よりも最も汚れているのか?
そんな事はありません。

虫歯、歯周病になってしまった歯よりも確実にたくさんの歯垢(プラーク)がついている歯が
他にあるのに、その歯は虫歯、歯周病になってなかったりします。
歯垢(プラーク)の量と虫歯になってくる歯は比例しないのです。                       
歯垢がたくさんついている歯と虫歯になる歯は一致しているのです。
皆さんは歯垢=虫歯と思うでしょうが人の口の中において歯垢の存在だけでは
虫歯にならないのです。
また、歯石の存在だけでは、歯周病にならないのです。

他にも歯垢(プラーク)が直接の原因でないと思われる虫歯、歯周病はたくさんあります。
あなたのまわりにもそんなに歯を磨いていないのに虫歯になっていない人いませんか?
ただ、ブラッシングをしなくてよいと言っているのではありませんよ(笑)


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